case no.9

催促状がきて、元夫とは連絡がとれない

相談者について

年齢
31歳
家族構成
子供2人(小学生)・離婚した夫
住宅ローン残高
3,300万円
毎月の住宅ローンの返済額
12万円
相談者

相談時の状況

Aさんのもとに届いた1通の封書。差出人は銀行で、開いてみると住宅ローンがここ2カ月返済されていないこと、事情があれば相談してほしいといった内容が記載されています。「養育費代わりに住宅ローンを支払う」という約束でAさんが夫と離婚したのはおよそ1年半前のことでした。きちんと支払い終えてくれるだろうと思っていた彼女にとって、催促状の到着は大きな衝撃でした。

話したくない気持ちを押し殺して元夫に電話をすること数回、ようやく電話に出た夫は不機嫌そのもの。返済の話を切り出すと声を荒げました。「ちゃんと払うからつべこべ言うな」と怒鳴られて、Aさんは震えながら電話を切ることしかできなかったのです。

相談内容

これからどうなるのか、正しい知識を知りたい

元夫との会話は諦め、Aさんはひとまず情報集めを始めました。催促状が届いた後、どのようなことが起こるかを知りたかったのです。そこで、あと数回未払いが続けば催促状は催告書に変わり、それでも現状が改善されなければ残りのローンを全て一括返済。それが無理なら家を差し押さえられる、といった現実を知ります。

「でも、養育費の件は離婚調停で約束しているんです。ローン返済が養育費代わりだと言えば、家を取られるなんてことはありませんよね」これがAさんの相談内容でした。

督促状

佐川の提案

元夫の合意を得て家を売却、不安のない生活を

佐川はまず、「離婚調停での養育費支払いと住宅ローン」についてAさんに話しをしました。「家を買うために銀行からお金を借りてローンを組む。返済完了まで銀行は家を担保にしている。ローンが返せないなら銀行は家を売って借金を回収する。売っても回収できなかった分は離婚をしていても保証人であるAさんに返済義務がある。調停で決めた養育費のことと、ローン支払い義務は関係ない」、という話しです。誤解を解いた上でAさんに質問していくと、家の名義をAさん一人にするだけの収入は彼女にはなく、両親の援助を受けることも難しいとが分かりました。
残る手段は元夫の合意を得て家を売却、催促状が届いているいま、それを1日1時間でも早く行う必要がありました。

ご提案
結果

余談を許さない状況の中でもよりよい未来を考える
元夫と時間をかけて話し合い、家を任意売却

はじめはケンカごしだった元夫ですが、「あなたからもきちんとお話しを聞きたい。あなたの今後の暮らしにも関わるんだから」という佐川の言葉で態度を変えてくれました。

滞納した回数が4回になると、ローンを一括返済しなければならず、それができなければ銀行は家を競売にかけること。競売になると通常の売却とは異なり、市場価格よりも安い価格でしか売れず、結果、家を売っても残った借金は元夫やAさんの給与差し押さえ、子供たちの学資保険を差し押さえてでも回収されることなどを話すにつれ、元夫はどんどん青ざめていきました。事態を甘く見ていたのは明らかです。

その後、本当は毎月12万円もの返済がつらくて仕方がなかった。友人の不動産業者へ査定をしてもらうも、売れる価格よりもローン残のほうが多く、売るに売れない状況にどうすれば良いか毎日不安で怖かった、という本音とともに売却に同意してくれました。

相談者のその後

ご相談者のその後

元夫の次は、住宅ローンを組んでいる銀行の承認をもらわなければ家は売却できません。なぜなら、売れる価格よりもローンの方が多く残っている、いわゆるオーバーローンだからです。
毎月の生活費だけで精一杯の元妻には次に引越しするお金をお家の売却価格の中から捻出すること、また、少しでも高くお家を売却し、残りの借金を元夫一人が充分に返していけるだけの返済額に減らすことの2つが求められました。銀行には事情を伝え、現実的に売れる価格を提示。残ったローンは元夫が無理のない返済額で月々返済していくことを条件に任意売却することを合意してもらいました。幸い、3,000万円で売却に成功。
ここからAさんの引越し代や当面の家賃、売却経費を銀行に認めてもらい、残りをローン返済に充てることができ、残ったローンについては元夫が責任をもって支払うことで解決しました。
「あの時、養育費と催促状との関連を佐川さんに質問してよかった。そうでなければ今ごろ家を失って途方にくれていたはずです。保証人という縁は残ったローンを元夫が完済するまで切れませんが、いろいろな意味で本当に離婚が成立したんだ、という感慨深さでいっぱいです」
その後の元夫との養育費についても弁護士を紹介してくださり感謝しています。