case no.7

会社の負債で自宅にも差し押さえが

相談者について

年齢
47歳
家族構成
妻・子供(中学生)
住宅ローン残高
4,300万円
毎月の住宅ローンの返済額
16万円

※年間の固定資産税含む

相談者

相談時の状況

Hさんは20年ほど勤めていた設計事務所を退職し、しぶる妻を説得して自分の会社を興しました。ホームページを制作し、営業を始めてすぐに一件の問い合わせ。古民家をリノベーションして宿泊施設にしたいという大がかりな工事の相談は、Hさんの肩に力を入れるに十分な案件でした。顔合わせののち契約、プランニング、着工と、話はトントン拍子に進みましたが、問題が起こったのはほぼ工事が終わろうかというころです。コロナの影響で「お金を用意できないかもしれない」という連絡を最後に施主が音信不通。だからといって仕入れた素材や職人への工賃をなしにしてくれとは言えません。

相談内容

家を取られてしまうのだけは避けたい

工事を担当してくれたのは、前職でHさんと付き合いのあった仕入先と職人たちです。事情を話すと、支払い期日はかなり遅らせてもらえました。しかし施主は依然としてつかまらず、お金のめどが立たないまま支払い期日を迎えることに。

「気の毒だとは思うけれど、こっちも商売だから」と、仕入先や職人をまとめる頭領らはそれぞれ弁護士に依頼してHさんが代表を務める法人名義の財産と、住宅ローンが残る自宅を差し押さえたのでした。「このままでは家を取られ、借金は残り、家族は離散するしかない。売掛金の回収めども立たない。もうどうすればいいのか分からない」というのがHさんの相談でした。

会社の負債

佐川の提案

破産手続きと任意売却で生活の確保を

自宅まで差し押さえられたのは、Hさん個人が法人の連帯保証人だったためです。Hさんの会社が背負った借金は、自宅を売って返済できる額ではありません。しかしながら、工事関係者らも弁護士の言われるままに、とにかく自宅の差押えを強行したのでした。

Hさんに佐川は任意売却し、売却代金のなかから、できる限り、差押えをしている、迷惑をかけた工事関係者たちに少しでも支払うこと。また、最低限、家族が引越しできる資金を捻出し、それでも残った負債については自己破産で精算しましょう、と提案。Hさんには「家を取られたくない」という希望もありましたが、住宅ローンと会社の負債を合わせると借金は1億円に迫ります。これを整理するには自宅売却を伴う自己破産しか方法がありませんでした。こうした現状を説明し、「守りたいのは家ではなく、ご家族ではないですか?奥さんと子供と再スタートを切ることをまずは目指しませんか、そしてHさんを信頼して仕事を請け負った方々へ最後の誠意をみせませんか」と言い添えると、Hさんは涙ながらに頷きました。

ご提案
結果

複数の工事関係者と交渉し、任意売却へ
できる限り分配し、家族の生活も確保

あらゆる財産を差し押さえられたHさんの現状は、競売と何ら変わりない状態でした。そんなHさん家族の今後の暮らしをある程度の形にするには、個人名義の住宅を任意売却し、各関係者たちに返済するプロセスが不可欠です。差押えをしている工事関係者の代理人である弁護士と交渉し、住宅ローンの借入先である金融機関と話合うことで自宅を売る許可をもらうこと、売りに出す価格や手続き、全てを迅速に行う必要がありました。

佐川はHさんとともに一社一社、一人ひとり工事関係者を訪問。破産手続きを進めるお詫びとともに、自宅を売却したお金の中から少しでも多くの負債を返済したい旨の誠意を説明して回りました。その結果、金融機関はもちろんのこと、全員の同意を得られ自宅の売却ができました。

相談者のその後

ご相談者のその後

個人破産といっても、何もかも取り上げられて放り出されるわけではなく、99万円以下の資産は手元に残せます。これを引越し費用や1~2カ月分の家賃に充てながら、破産を申し立てた当人は体制を整えなければなりません。佐川は債権者との交渉や売却手続きの合間をぬって、少しでも条件のいい新居探しに奔走。売却・返済・転居・新生活のトータルサポートで、Hさん家族はようやく息をつけるようになりました。

「施主さんと連絡が取れなくなって、借金ができて、差し押さえられて。頭が追いつかなくて、本当に何も考えられなくて。そんな中で、自己破産後の道筋をつけてくれた佐川さんには感謝しかありません。今、最低限の生活と再スタートして仕事ができているのも佐川さんのおかげ。前を向いて、迷惑をかけたぶんを取り返していこうと思います。